この度、国際患者会をご担当頂いている会員の小森香様(高知医大)がヨーロッパの歴史ある有名雑誌Clinical and Experimental Rheumatologyに会員の皆様にご協力頂いた研究が掲載されました。この雑誌は世界で多くの専門医に読まれている雑誌です。現在の編集長はシェーグレン症候群の世界的権威でイタリアピサ大学のボンベルデイアリ教授です。
小森香さんからその内容をご紹介頂きました。以下小森さんからのご報告です。
このたび、患者会会員に実施したアンケートを解析した結果が英語雑誌に載ることになりました。SSの診断が少しでも早く行われる様になるために役立つことを期待しています。ご協力頂きました患者会会員の皆様には御礼申し上げます。論文の内容は以下の通りです。
タイトル:Factors associated with delayed diagnosis of Sjögren’s syndrome among members of the Japanese Sjögren’s Association for Patients
著者:K. Komori, M. Komori, T. Horino, S. Nishiyama, M. Takei, N. Suganuma
雑誌:Clinical and Experimental Rheumatology
「日本シェーグレン症候群患者の会会員におけるシェーグレン症候群の診断遅延因子の検討」
小森香1・小森正博2・堀野太郎3・西山進4・武井正美5・菅沼成文1
1高知大学医学部環境医学、2高知大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科、
3高知大学医学部内分泌代謝・腎臓内科、4倉敷成人病センターリウマチ膠原病センター、5日本大学医学部血液膠原病内科
内容
初診時の身体症状、初診診療科とシェーグレン症候群(SS)の診断までの期間を調査し、SSの診断が遅れる要因を検討しました。
SS診断までの平均期間は3.47年でした。初診で一般内科または眼科を受診した人は診断が遅れていました。また初診時の年齢が若い場合、また初診時の症状がドライマウスを伴わないドライアイのみの場合も診断が遅れていました。他方、初診時にドライマウスまたは皮膚症状がある場合には診断は早く行われていました。
早期診断および早期治療のために、医師および一般の人々に対して、SSの認識を広く普及させる必要があると思われます。